歴史を通して一部の食べ物や飲み物は宗教的にも文化的にもハラムと見なされてきました。時代ごとに遣わされた預言者たちは信仰の基本原則もちろん日常生活に関わる戒律や禁忌をも人々に伝え、自らの生活に模範を示しました。
イスラム教の信念によれば、アッラーは体に害を及ぼし、人々に悪影響を与えるものを禁じ、代わりに私たちに清潔なものを食べて感謝を捧げるよう命じました[1]。しかし、クルアーン2章168節でアッラーは次のように述べています。 「人々よ。あなたがたは地上にある、合法で良いものを食べなさい。そして悪魔の足取りをたどってはならない。本当に彼は、あなたがたにとり公然の敵。」と注文しました。この節は清潔でヘラルではない食べ物は実際には試練であり、悪魔は試練に負けるよう人々を励ますことを知らせています。さらに、節で言及されている「ハラールとタイーブ」という表現により、消費される食品と飲料は、本来の遺伝的と互換性のある、つまり遺伝的に保護されたクリーンで健康的な製品である可能性が示唆されています。
食べるのにふさわしくないと考えられている食品はクルアーンの4つの節で説明されています [2]。これらの節で言及されている禁止された食品は次のとおりです。
•腐肉（自然死した動物）
•血（肉から流れ出る血を飲む）
•豚
•アッラー以外の名の下に屠殺された動物
さらに、飲酒と麻薬植物の使用も節とハディースによって禁止されています[3]。預言者ムハンマド（彼の上に祝福と平安あれ）は「酔わせるものはすべてハラムである」[4]そして「大量で酔わせるものの少しもハラームである」[5]いう言葉で、量や種類に関係なくアルコールと薬物はハラムであるという事実に注意を喚起しました。
海産物に関してはクルアーン5章96節でハラールおよび、預言者ムハンマド（彼の上に祝福と平安あれ）の「海の水はきれいで、死んだ魚はハラルである」という言葉は捕獲された海の生き物もハラルであることを示しています[6]。節とハディースに従って統治したイスラム宗派のイマームは、すべての魚種をハラールと見なしていました。しかしクロコダイル、水ヘビ、カニ、カエル、イカ、エビ、ムール貝などの動物種は捕食性があり有害であると見なされ、他の動物は汚れていると見なされることには同意されませんでした。 [7]
さらに、違法な収入、つまり、アッラーによって禁止されている仕事を通じて、違法な方法で得られた収入を得ることはハラールとは見なされません。預言者ムハンマド（彼の上に祝福と平安あれ）は、そのような利益で購入した食品は、次の言葉で祈りと崇拝の受け入れを妨げるだろうと強調しました。「人はアッラーの道のために長い旅をしするとき、 髪を乱し、ほこりで覆われた状態で、彼は両手を空に向けて広げました。 アッラーよ！ アッラーよ！ 彼は祈ります。 しかし、彼が食べるものはハラームであり、飲むものはハラームである。 そのような人の祈りはどのように受け入れらるでしょうか？」[8]
節やハディースで伝えられているように、イスラム教ではハラルの輪が広く、食べたり飲んだりできるものが非常に多い反面、禁止されている飲食物はハラルに比べて非常に少ないであります。その禁止には、健康や公共の平和の保護などの利点が考慮されています。
[1] クルアーン2章172節
[2] クルアーン2章173節、クルアーン5章3節、クルアーン6章145節、クルアーン16章115節
[3] クルアーン5章90-91節
[4] ブハーリー、「アダブ」、80。ムスリーム、「アシュリバ」、67-75
[5] ティルミディ、「アシュリバ」、3
[6] アブ・ダーウド、「タハレット」、41
[7] 魚以外の製品は、ハナフィ学者によってハラールとは見なされませんでした。 マーリキとハンバリーの学者によると海の動物は原則としてハラールです。 ただし、ワニなどの捕食動物はハラールではありません。
シャーフィー 派ではカエル、カニ、カメ、ミズヘビなど、本来は水中で生活しているが陸上で生活できる動物は、悪性・有害性があるためハラルではありません。 これら以外に、ムール貝、イカ、ロブスター、エビなどの魚介類を食べることはハラールです。
[8]ムスリム、ザカート 65; ティルミディ、タフシール・クルアーン、3も参照。